プロフィール
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Willie Whopper
ブラジルの音楽と文化を紹介するミニマガジン「Banca」編集者。国内盤CDの解説を始め、「MPB」、「Latina」、「中南米マガジン」、「アンボスムンドス」、「Groove」等に寄稿。自身が運営するホームページ「Que tal este?」は18万Hitを越える人気ページ。ブラジル音楽の勉強会やイベントを企画、なかでも毎月最終土曜日に開催の「下北沢ブラジル音楽普及委員会」は50回を越える長寿イベント。ブラジル音楽系DJとして首都圏を中心に多数のイベントに出演。心はいつでもヴァガブンド。

  
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2007年02月16日

サンパウロで食べたミナス料理

あっという間の10日間、ブラジル最後の夜はブラジル在住の友人夫婦に「手軽な値段で美味しいものが食べたい!」とリクエストしてみたところ、「それじゃあ、ミナス料理を食べに行こう!」ということになり、早速人気のお店に繰り出しました。

東京でいうと表参道や青山のような若い人が遊ぶトレンドスポットが集まるエリア、ピニェイロスにあるConsulado Mineiroというミナス料理の専門店です。オープンから14周年を迎え、今ではサンパウロ市内に2つの店舗を構える人気店。地元の人にも大人気で週末は予約をしないと入れないくらいの盛況ぶりだとか。
私達が行ったのは月曜日、軽く雨が降っていたということもあり、すんなりと入ることが出来ました。

まず目を引くのが大きな棚に飾られたカシャーサの瓶。ざっと100種類はありそうです。しかもどれもお店で飲むことが出来るとか。値段もショットで2R$(約120円)前後とお値打ちです。地下にはお土産コーナーもあり、ミナス名物の石鍋や、動物や鳥をかたどった置物が所狭しと並んでいました。

テーブルに戻って、早速オーダー。まずはミナス料理といったら外せない「トゥトゥー」。トゥトゥーはフェジョンにも似ていますが、もっとドロッとした感じでかなりおなかが膨れそうです(笑)。これをご飯にかけて食べます。おかずはフランゴ・コン・キアーボ。鶏肉とオクラを煮込んだものです。これがまた美味なんですよ~。今回改めて思ったのですが、ブラジルの野菜はは日本の野菜と違って素材そのものにしっかりと味がついています。太陽の光をしっかり浴びたブラジル産と、ハウス栽培の日本産の野菜では比べるまでもないですが、同じように調理しても全く同じものには作れないし、食べられないですね。ここぞとばかりに食べまくります(笑)。それからトヘーズモ。これは豚の皮をカリカリと揚げお煎餅みたいにしたもの。せっかくだからとカイピリーニャを頼んでいたのですが、つまみのようなトヘーズモにピッタリでお酒のほうも進みます(笑)。カルネセッカも忘れてはいけません。元々北東部名物で牛肉を干したものです。ちょっとしょっぱいかな?と思っていたんですが、全くそんなことは無くて、一緒に炒めたタマネギとのコンビネーションが絶妙です。それにしても、何を食べても美味過ぎ。本当はもっと頼んでみたい料理もあったのですが、一品一品の量も多いので、次回の楽しみに取っておく事にして、今回はこれにて打ち止めしました(笑)。

今回のブラジル訪問は、たった10日間の滞在でしたが、やっぱりいいですね!行く度に新たな発見があるし、自分自身もブラッシュアップ出来たような気がします。ブラジルから教えられるものは大きいです。この読者の皆さんは、ブラジルに在住されている方から、ブラジルには行ったことがないけど気になっているという方まで、様々な形でブラジルに接してられていると思います。自分がいうのも恐縮ですが、ブラジルは知れば知るほど、深みにハマッて抜け出せないような、ホントにおもしろい国です!

という訳で、これにて短期連載、「W.W.のブラジル滞在記」はおしまいです。また新コーナーにてお会いしましょう!  

2007年02月15日

フェイラをハシゴする

今回のブラジル訪問は、あるプロジェクトのお手伝いという名目があったのですが、週末は完全にオフ。という訳で、週末にサンパウロ市内で開催されているいくつかのフェイラをハシゴしてきました。

まずは毎週土曜日に開催されているピニェイロス地区にあるベネジト・カリストのフェイラを探索することに。会場にはだいたい100軒ぐらいが出店しています。朝から掘り出し物を探しに来ている大勢の人達でごったがえしています。観光客より地元の人が多いような感じです。

ざーっとお店に並んでいる商品をチェックすると、目を引くのはアンティーク商品。フォークやナイフなどの銀製品や、人形やミニカーなどのおもちゃ、テーブルや椅子などの大型家具なども並んでいます。さすがに家具は日本まで持って帰れませんが、なかなか趣味の良いものが多いです。お店の人に話を聞くと100年以上前のものも多いとか。私は全く目利きとか出来ないんですが、当時、ヨーロッパから渡ってきた移民達が持ち込んだ丁度品などがあるんでしょうね。他にはレコードや中古CD、古本なども豊富にあり、好きな人には堪らないと思います。私は倒産してしまったヴァリギの飛行機の模型を購入。こういうの日本ではまず手に入らないですからね~。小腹がすいたら、ちょっとつまめる屋台へ。パステルなどのサウガヂーニョのほかに、焼きそばなんかも売っていましたよ(笑)。午後からは会場内でショーロを演奏する楽団が演奏するそうで、なかなか洒落たフェイラです。

翌日曜日は2箇所をハシゴ。まず最初は宿泊していたホテルから歩いていける距離にあるリベルダーヂ広場で開かれているフェイラ。リベルダーヂは元々日本人街として有名でしたが、最近は中国や台湾、韓国などのアジア系の店も増えているそうです。このフェイラも「東洋市」として呼ばれているそうです。規模はそう大きくないのですが、こちらはなかなかユニークなお店が多いです。例えば「漢字グッズ」の店。「愛」とか「平和」とか書いてある壁掛けや、「努力家」というロゴの入ったTシャツなど、日本人である我々からみるとちょっと不思議な気分。こちらでも焼きそばを売っていましたが、もっと驚いたのは「石焼きいも」の屋台までありました。遊びに来ている人も日系の人が多いようで、チラホラ日本語を耳にしました。

続いてはアヴェニーダ・パウリスタにあるサンパウロ美術館(通称MASP)の下で開催されているフェイラへ。MASPの建物はちょっと変わった構造で、1階部分が吹き抜けになったビルで、その1Fの空間部分で開催されています。こちらはアンティック中心。腕時計などの高級品も多く、ベネジト・カリストのフェイラよりは高そうな商品が並んでいます。あまり買えそうなものも無かったので、MASPからアベニーダ・パウリスタを挟み道路の向かい側にあるトリアノン公園で同時開催されているフェイラをチェック。こちらは民芸品を取り扱っているお店が多く、北東部名物の土人形や、レースの手芸品、ハンドバックなどの革製品などが手ごろな値段で販売していました。お土産にピッタリのトゥカーノのキーホルダーが売っていたので早速価格交渉。10個買ったら3個おまけしてくれました。最近は観光客の保護の為に警察や市などが各お店に強く指導しているそうで、ボッタくるお店は少なくなったそうですが、その代わり値引きする店も減っているとか。物価の違いもあるので、最初から安いといえば安いですが、一応、言うだけは言ってみた方が良さそうです。

サンパウロだけでも数100箇所で開催されているというフェイラ。ちょっと早起きして掘り出しものを見つけてみたいですね!  

2007年02月14日

マリア・ダパズとの再会

リオからサンパウロまでは飛行機で約1時間弱。右側の座席に座れば窓からポン・ヂ・アスーカルやコパカバーナ、イパネマの美しい風景を目にすることが出来ます。

サンパウロに到着、早速ホテルにチェックイン。今夜は旧知のシンガー、マリア・ダパズを聴きにエンブーという街に出かけます。

エンブーはサンパウロ中心から車で1時間弱に位置する郊外の街。ここは「アーティスト村」として知られ、ミュージシャンはもちろん、造形作家や俳優の卵なども多く生活しているそうです。エンブーの中心で週末に開催されるというフェイラには、これらの若手アーティストが制作したグッズなどを販売する露店が立ち並び、なんと4万人近い訪問者があるとか。あちこちにあるバールにも生演奏によるライブが聴けるという文化度が高い街です。

マリアが出演するのは、エンブーにあるお店でも一番の有名なライブ・レストラン「ガリンポ」。ここのムケッカはとても有名だそうで度々雑誌やテレビでも紹介されていて、週末は数時間待ちはザラだとか。内装もゆったりとスペースを取ったつくりで、観葉植物なども豊富に置いてあり、とても素敵なところでした。

ところで、このマリア・ダパズという歌手、残念ながら日本ではほとんど知られていません。彼女は1959年生まれのレシーフェ出身のシンガーソングライター。若い頃はヨーロッパでも活動していた経験があり、シタォンジーニョ&ショロローなどに曲を提供したこともある実力派です。最近は自己のルーツであるブラジル北東部の音楽を追求、ルイス・ゴンザーガのナンバーを新解釈、ピアノやストリングスを加えてしっとりと聴かせた作品「Meu Lugar」が大評判となり、続いて発表した「Vida de Viajante」で何とラテン・グラミーにノミネートを果たしました。一昨年、サンパウロで彼女のショーをたまたま見たのですが、このステージに大感激、ブラジル在住の友人に「彼女の歌は素晴らしい!」と話したら、なんと偶然なことに、この友人とマリアが知り合いだったということが判明、急遽紹介してもらい、その後ずっとメールのやり取りを続けていたのでした。

少し早めに会場に到着すると、マリアとマネージャーでパーカッション奏者のジョゼリーンの二人が丁度リハをやっているところでした。1年半振りの再会に喜びしばし談笑。日本から持っていったお土産(日本の童謡のCD)を渡すと喜んでくれて「レパートリーに加えようかしら」なんて冗談も。

やがて開演時間が近づいてきたので、マリアとジョゼリーンは一旦楽屋に入り、私は早速名物のムケッカをオーダーしました。そして席に届いたのは...なんと洗面器ほどの器に入ったムケッカ。真ん中には20センチぐらいあるエビがどーんと入っています。一口食べると魚介類とココナッツの重厚なハーモーニーで、これまた美味い...。しばし無言で食べ続けます。「ブラジルに来て良かった!」と思う一瞬でした。

開演時間を少し過ぎてマリアとジョゼリーンがステージに登場しました。「今日は日本人の友達が観に来てくれています。」なんてMCをしてくれています。得意のゴンザーガのナンバー、最新作「Da Cor
Morena」の収録曲、「Fascinacao」や「Carinhoso」などのスタンダードを歌い継ぎます。マリアの歌声は女性らしく柔らかい中にも力強さがあって、セルタォンが舞台のフォホーにマッチします。日本にいると「フォホーの曲をギターで弾き語りなんて出来るの!?」と思ってしまうかもですが、マリアの歌声はあえて例えるなら「北東部のジョイス」といった感じでしょうか。きっと日本人受けすると思います。

2ステージ、約2時間のショーを終え再び談笑。実は今日観に来ていたお客さんの多くはこの辺りに住む顔見知りの友人だとか。自宅の近所にこんな美味しいレストランがあってライブまで聴けたらどんなに素敵でしょうね!

マリアとジョゼリーンに一緒に記念写真を撮り、別れを惜しみつつ帰途に着きました。う~ん、なんとか二人を日本に連れてきて、日本人のブラジル音楽ファンの前でその演奏を披露してもらいたいです。きっとみんなビックリ、一発で彼女のファンになると思います。ボサノヴァやサンバに比べると、日本ではまだまだ認知度の低いブラジル北東部音楽、「こういう解釈もあるんだ!」という意味でも、マリアの名はチェックしておいて下さい!


  

2007年02月13日

トム・ジョビンの誕生日に観たショー

1月25日はトム・ジョビンの誕生日。生きていれば80歳の節目だったということもあり、リオデジャネイロではいくつかのテレビ局が彼に捧げる特別番組を放映したり、トムにゆかりのあるグッズを集めて展示したトム・ジョビン記念館がオープンしたりと、ちょっとした話題になっていました。彼の曲を取り上げたライブも多く企画されましたが、私はファチマ・ゲチスという歌手のショーを観にセントロへ。

ファチマはブラジル音楽マニアの方なら名前を聴いたことがあるかもしれませんが、70年代にシンガーソングライターとしてデビューした女性で、エリス・ヘジーナが彼女の「Onze fitas」という曲を歌って一般的に名が知られるようになりました。その後、よりアーティスティックな活動に励み、ギンガやエドゥアルド・グヂンといった知性的なミュージシャンと交流を深めていきます。最近の彼女はトム・ジョビンの曲ばかりを取り上げた「Outros Tons」を発表したばかり。トム・ジョビンは生涯で600曲近い曲を書いたそうですが、そのなかでもあまり知られていない渋めの楽曲ばかりを録音した意欲作。今回はこの作品のリリース記念のショーとなりました。

会場となったセントロ・クルトゥラル・カリオカ(通称CCC)はゼリア・ダンカンがDVD 「Eu Me Transformo em Outras」を撮影した会場としても知られていますね。元々はダンスホールとして使われていた建物を市が買い取り公共施設としてリニューアル・オープンしたとか。文化発信基地という役割があるそうで、昼間はダンスなどのワークショーップなどもやっているそうです。テレ-ザ・クリスチーナやマルチナリアといった若い世代のミュージシャンにもチャンスを与えレギュラー出演させていることでも知られています。入場料も安く設定され、この日はR$10(約600 円)でした。

会場に入ってみるとすでにショーはスタート。客層もなんだかアダルトな雰囲気。ファチマを中心に、ピアノ、ウッドベース、ドラムスというシンプルな編成。

トム・ジョビンというとボサノヴァの代名詞的存在ですが、ファチマはアルバムのコンセプト通りボサノヴァの曲はほとんど歌わず、マルシャやボレーロ、サンバ・カンサォンなどのリズムで歌います。ボサノヴァ以前のブラジル音楽は、日本ではそれほど知られていませんが、メロディラインはとても美しいものが多く、これらの曲が50年以上前に書かれたとは少しも気づかないオシャレなアレンジで演奏していました。

ファチマの声質も往年の頃にさらに味が出ていてワンアンドオンリーの域に。会場内の歴史ある重厚な雰囲気と、窓から見えるライトアップされた外の教会などが幻想的ムードを醸し出し、ついついビールが進みます(笑)。

ショーは1時間半弱で終了、記念にCDを購入。旅の疲れもあって、この日は早めにホテルに帰り就寝しました。明日はサンパウロに移動です!  

2007年02月12日

リオデジャネイロはフォホーの街!?

サンバが誕生した街、リオデジャネイロ。街角ではあちこちからサンバの音色が聴こえてきます。

と、今まではそうだったんですが、近頃はちょっと様子が変わってきているようです。数年前にブラジル全土で大流行した北東部の音楽、フォホー。フォホーはもちろん以前から一般的に知られていた音楽でしたが、どちらかというと若い人はあまり好んで聴いていなかったように思います。この数年前のブーム時に、ファラマンサなどのアイドル系フォホーバンドがブレイク、ティーンエイジを中心に若い層で人気が高まるとフォホーパーティーがあちこちで頻繁に開催されるようになり、週末はみんなでフォホーを踊りに行くことがスタイリッシュなこととして捉えられるようになりました。サルサ同様、ペアでダンスが出来るのも人気のポイントで、知らない人同士でもダンスを通してすぐ仲良くなれることがもうひとつの魅力なのかもしれません(笑)。

さて、このフォホーですが、リオデジャネイロにもフォホーのメッカというような人気スポットがあります。セントロからタクシーで約10分、マラカナンのサッカー場の近くのエリア、サンクリストヴァォン地区にある「フェイラ・ノルデスチーナ」というスポットです。

もともと付近の住民が日曜日にフェイラ(出店)をやっていたのが始まり。この付近には北東部からの移住者が多く、このフェイラではチーズやカルネセッカ(干し肉)など北東部の食材などが中心に販売され、コルデル売りやヘペンチスタ(即興の吟遊詩人)、フォホーのバンドなども出演していたそうです。 50年以上続いていたこのフェイラに目を付けたリオ市が、数年前にすぐ近くにあった廃墟になりかけていた競技場を改修、このフェイラをスッポリと移動させました。ドーム状の会場内にはレストランやバール、酒屋や食材店、更には、楽器屋、CD屋、床屋や占い屋に至るまで何でも揃っています。そのほとんどが北東部スタイルのお店。売っている商品のラインナップもリオの街中とはちょっと違います。CD店の売れ筋チャートも、もちろんフォホーが中心です。

会場の両端には特設ステージが設営され、昔風のティピカルなフォホーから、ラップなども入った最新スタイルのフォホーまで楽しめます。

入場料はR$1(約60円)。建物の中は比較的安全なので安心して楽しめます。(一応、スリなどには注意してください!)

開催日は土曜日(オールナイト営業!)と日曜日。もし週末リオに滞在するような機会があれば、是非行ってみて下さい!  

2007年02月09日

オルケスタ・インペリアル+DJ マルボロ、奇跡の再会!

ブラジルはもうすぐカーニバル。リオデジャネイロでも多くのプレ・カーニバル・イベントが開催されていました。

なかでもここ数年話題になっているのが、この時期にしか演奏活動しないオルケスタ・インペリアルというグループです。実はロス・エルマノスなどのメンバーなど、若手ミュージシャン達が集まって結成、ホーンセクショーンなども入ったガフィエイラ・スタイルのお遊び楽団、といっていいでしょう。この時期にあちこちで耳にする、ちょっと懐かしめのマルシャやサンバを演奏します。メンバーも思い思いにコスプレしてステージに立ち、カーニバル気分を高めます。

このオルケスタ・インペリアルが、最近注目を集めているシルコ・ヴォアドールという会場に毎週出演していて、しかも昨年初来日を果たしたマルボロがDJで参加しているという情報を入手、早速チェックしに行きました。開場は夜の23時と、遅いスタート時間です。

シルコ・ヴォアドールはラパのど真ん中、カリオカ水道橋の真横にあります。作りがちょっと変わっていて、ステージは吹き抜けで体育館みたいな感じです。脇にはオープンエアのバーコーナーが広く取られていて、お客さんはステージ前~バーコーナーと入ったり来たり出来ます。

オルケスタ・インペリアルの演奏は、適度に肩の力が抜けたユルい演奏で、お客さんもステージに集中しているというよりは雰囲気を楽しんでいる様子。外のバーコーナーで飲んで盛り上がっている人も多いです。おもしろいのは、メンバーの真似をしたのかお客さんにもコスプレをしている人が目立ちます。ピンクのカツラを被った女の子グループや、ハロウィンみたいなお化けのお面をつけた人も。"ライブ"というより"パーティー"といった感じです。

2時間ほどでオルケスタ・インペリアルの前半ステージが終わると、舞台にはDJブースが即座に設営されマルボロが登場しました。ここからが実はすごかった!外で飲んでいたお客さんが次々と会場の中に入って中はぎゅうぎゅうの押し合いへし合い、山手線のラッシュアワー状態に。そして準備が完了すると、ダンサーを従えたマルボロが新曲を中心に次々とオリジナルのファンキ・カリオカをプレイ。お客さんも大盛り上がりで、みんな例のファンキ・ステップで踊っています!すごい!やっぱりファンキは流行していますね~。

なんとかマルボロに声をかけたかったのですが、あまりの人の多さにステージ前まで近づくことが出来ずに断念...。

マルボロのDJは30分ほどで終わり、再びオルケスタ・インペリアルの演奏に。夜も更けてきて(この時点で午前3時)、かなり疲れてきたので、「ホテルにもう帰ろうかな?」と思ったその時!ふと脇を見ると、すぐそこでマルボロがお客さんと談笑しているではありませんか!!「○△×○△!」と興奮し、あわてて駆け寄り肩を叩いて「おぉ、日本から来たよ。インタビューしたの覚えている!!??」と声を掛けると、マルボロも気づいてくれたようで、「お前か~!ブラジルに来ていたのか。なんで連絡しないんだよ~。楽屋で話そう!」と、楽屋に連れて行ってくれました。スタッフ用のビールを「まあ、飲めよ。」と言って差し出してくれて、そこからはしばし世間話。

日本でも彼が来日したことでファンキ・カリオカが大きく注目され始めたこととか、東京のショーを見逃した人が多くて、また来日して欲しいという要望も大きいということとか、そういったことを伝えておきましたよ。彼も日本をかなり気に入ったそうで、「また必ず日本にいくよ!」と約束してくれました。今、一番忙しい時期だそうで、翌日はサルヴァドール、その次の日はブラジリア、その次はエスピリト・サントでショーをするとか。ちょうど今頃はニューヨークに行っているそうです。「今週末、食事でもどうだ?」と誘われましたが、あいにくサンパウロに移動する予定で泣く泣く辞退。再会を約束して別れました。

ブラジルに行くと、こういった夢のようなできごとがちょくちょく起こります。その一方で、日本では当たり前にできることがブラジルではできなかったりもします。(今回はクレジットカードが一時使えなくなりました。原因は不明)、本当に不思議な国です。マルボロとの再会もきっと縁があったんでしょう。これを機に彼とはなにかおもしろいことが出来そうな予感がします!  

2007年02月08日

健在!マリア・クレウザ

リオデジャネイロは音楽の都。カネカォンみたいな巨大ホールもいくつもありますが、10数人でいっぱいになる小粒のバーやクラブも無数にあります。

ブラジル滞在3本目のライブは、今では幻ともいえる往年の名歌手を観にイパネマへ繰り出しました。ご存知の方も多いとは思いますが、イパネマの中心部には、アントニオ・カルロス・ジョビンと詩人のヴィニシウス・ヂ・モラエスがボサノヴァの名曲「イパネマの娘」を作詞した実在の店、として、毎日世界中から多くの観光客が訪れている超有名なレストラン「ガロッタ・ヂ・イパネマ」があります。この「ガロッタ・ヂ・イパネマ」がある通りには、「ヴィニシウス・ヂ・モラエス通り」という名前が付いており、他にもいくつかのボサノヴァにゆかりのあるお店が立ち並んでいます。

私が目指したのは、この「ガロッタ・ヂ・イパネマ」の向かいにある「ヴィニシウス・ピアノ・バール」というライブ・レストラン。ボサノヴァ系を中心に、往年の歌手が出演している、客席約50人のこぢんまりとしたお店です。

インターネット時代になって久しいですが、ボサノヴァがブームだった頃に活躍したミュージシャンの多くがいいお歳、しばらくレコーディングもやっていないし、ホームページを作っていないというミュージシャンも多く、現在どうしているか良く分からないというミュージシャンも多いですよね。この店にはそういった、いわば「幻のミュージシャン」が多く出演しているんです。

で、私が観に行ったのは...。マリア・クレウザ。マリアといえばご存知の方も多いと思いますが、70年代後半に大ブレイク、当時、日本で大きく紹介された歌手ですね。"Voce Abusou" の大ヒットも記憶されている方も多いのではないでしょうか?80年代末までは精力的に活動していた彼女でしたが、90年代以降はほとんど表に出なくなり、引退も噂されていました。一昨年だったか自主制作CDが発売され、健在ぶりをアピールしましたが、最近はこのお店のレギュラーアーティストとして毎週出演しているそうです。

開演15分前に着くと、すでに店内には超満員。カウンターの席に通されます。ぱっとみた感じ観光客が多く、英語やスペイン語が飛び交っています。メニューは観光地価格なのか、ちょっと高かったですが、カイピリーニャをオーダーするとこれがかなり美味かったです!

そしてマリア登場!ギター、キーボード、ベース、ドラムによるバンド編成でボサノヴァのスタンダードを歌います。途中、MCでお客さんに「あなた達はどこの国の人?」と話しかけ、ポルトガル語、スペイン語、英語、フランス語、イタリア語で挨拶しています。ふと私と目が会うと「コンバンワ!」と日本語で(笑)。後半は持ち歌の"Voce Abusou"や"Mas Que Nada"、"Tristeza"と割合ベタな(笑)曲を歌いましたが、演奏は意外にタイトで、しっかり聴き応えがありました。彼女も、声量は全く落ちておらず、逆に当時よりだいぶ貫禄がついて(歌もですが体格も!)まだまだ現役バリバリでやってるな~ということを深く感じました。

ショーが終わって、少しマリアと話せたのですが、実は(ブレイクしていた頃の旦那だった)アントニオ・カルロスとは随分前に別れて、今は、このレギュラーバンドのピアニストが新しい旦那さんだとか。そういえば息もピッタリ、幸せ感溢れる演奏でした。「日本に呼んでくれればいつでも行って歌うわよ~」と言っていた彼女、どなたか招聘してくれませんかね~。内容は第一級だと保証します!  

2007年02月07日

シコ・ブアルキ@カネカォン

リオ2日目はシコ・ブアルキのショーを観に名門ホールのカネカォンへ。シコ・ブアルキといえば、私がブラジル音楽を聴き始めた約20年前、彼がアントニオ・カルロス・ジョビンとデュエットしているレコードを聴いたのが最初の出会いです。決して上手いとは言えない彼の歌ですが、彼の作るメロディラインのはかなさ、繊細さにかけては天下一品。歌詩も哲学的で、女性歌手が競って彼に曲を依頼したというのも頷けます。それから遡るように彼のアルバムを集めて一時はのめり込んで聴いていました。今回のショーは8年ぶりにリリースした新作「Carioca」のツアーで、すでにサンパウロでは数ヶ月に渡るロングラン公演を果たし、地元リオでも飛ぶようにチケットが売れ、2月の追加公演が決まったばかりでした。会場となったカネカォンも有名なホールですね。ブラジル音楽の歴史を飾る歌手が出演、海外からのアーティストもよく出演しています。ここで録音された名ライブも数多いです。

ショーの始まる数時間前、会場脇に隣接されたチケット売り場へ到着。ブラジルにも事前販売のシステムはあるのですが、まだまだ会場でチケットを買うという風習が多いです。しかしこの日の指定席は売り切れ!ちょっとショーック...。ちなみにこの日の指定席の入場料は安い席でもR$140(約 8400円)、最高クラスのカマロッチだと、なんとR$400(約24000円)!!それでも売り切れとは改めてシコの人気の高さを思い知らされます。幸いなことに当日券を販売するとのことで列へ並びます。すぐに前後の人と仲良くなり「日本から来たんだ」というと「シコは日本でも人気があるのか?そりゃすごいなあ」なんて会話で盛り上がりました。この当日券はステージのほぼ真横の席というあまり良い場所ではありませんでしたが、R$60(約3600円)というお手ごろ価格でした。

会場の入り口ではブラジルのショーでは珍しくTシャツなどを販売しています。すっかりおのぼりさん状態の私はシコの顔写真がプリントされたTシャツを購入。ライブ直前に気分が高まります。座席番号を確認して自分の席にすわると、まあなんとか楽しめそうな位置です。ちょっとホッとしたところで、一度ステージまで近づいてみると、シコが弾くであろうギターと椅子がスタンバイされています。

「このギターを弾くのか~」、と感慨もひとしお。座席に戻って飲み物などを取りながら、1時間ほどすると、場内が暗くなり遂に開会のMCが流れました。場内は大声援です!

緞帳が上がると同時にシコが登場!MCもなく、淡々と歌い始めます。「Bye bye, Brasil」、「Carolina」、「Retrato Em Branco e Preto」など、往年のヒット曲を中心に歌い、お客さんもほどんど全ての曲を全コーラス一緒に歌います!シコがブラジルの民衆に愛されているということがほんとうに伝わってきます!あっという間の夢のようなひとときが過ぎ、アンコールは昨年末惜しまれつつ亡くなってしまったシヴーカとの共作「Joao e Maria」でした。

2時間ほどのショーが終わるとしばし放心状態に...。会場内ではマスコミ関係者が家路に着くお客さんを捕まえてインタビューをしています。どうもカエターノ・ヴェローゾやヤマンドゥ・コスタも観に来ていたようです。

私はサイド・ギターで出演していた知人のルイス・クラウヂオ・ハモスにお土産を届ける任務があったので、楽屋の入り口で警備員にお願いして彼を呼び出してもらいました。「ひょっとして楽屋に入れてもらえればシコに対面できるかも!?」とも思ったのですが、楽屋から出てきたルイスに「シコはもう帰ったよ。」と言われ断念。でも近いうちに会えそうな気がします!

シコ・ブアルキは残念ながらまだ日本に来たことはありません。でもジョアン・ジルベルト同様、日本人の琴線に触れるアーティストだと思います。なんとか近い将来に来日が実現できるよう熱望します!  

2007年02月06日

Projeto Verao TIM ヒタ・リー

*1/19から2/1まで4回目のブラジル旅行に行ってきました!
滞在中に体験したライブやイベント、話題のショップやレストラン情報など、短期集中連載にてご報告します!

急遽ブラジルに行くことになり、慌しく準備を済ませて機上の人に。24時間以上の飛行機は何度乗っても慣れるものではありませんね...。飛行機では日本映画なども放映しており、これでだいぶ気が紛れました。ヒューストンでの乗り継ぎも無事にクリア、一旦サンパウロを経由して、1月20日の午後、 1年半振りにリオデジャネイロの地を踏みました。

こちらも異常気象で、年明け以降まともに晴れた日は数えるほど無いとか。この日もちょっと曇っていましたが、それが逆に過ごしやすかったです。

ホテルにチェックインして早速本日のライブ情報を新聞でチェック。インターネットでアタリはつけていたものの、やはり新聞のほうが情報量は多いです。さすがリオデジャネイロ、しかも土曜日ということだけあって、カエターノ・ヴェローゾやシコ・ブアルキなど超大物アーティストの名が連なっています。「できるだけ日本では観られないアーティストを観よう」と思っていたので、この日はコパカバーナ・ビーチで開催されるヒタ・リーのショーを観に行くことにしました。ヒタ・リーはまだ日本に来たことがないだけにかなり楽しみ!

夕食を済ませ、20時過ぎにコパカバーナ・ビーチへ到着。コパは5キロメートル近くある長いビーチなのですが、ちょうど真ん中当たりに位置する世界的に有名なホテル「コパカバーナ・パレス」の真横に特設ステージが作られています。そう、昨年ローリング・ストーンズが公演したところと全く同じ位置です。

ショーは既に始まっており、近づくにしたがって大音量で歌声が聴こえてきます。ビーチには人、人、人!物凄い人の数。道路も片側が半分封鎖され、そこにも人で溢れかえっています。そう、このライブはリオ市が全面的にバックアップ、なんと入場無料で開催されているのです。

子供たちのグループから家族連れ、中にはヒタ・リー(ちなみに60歳超えています。)と同じ位の年齢のご婦人も。屋台なども多く立ち並び、音楽のコンサートというより「夏祭り」の気分。後で知ったのですが、この日はなんと2万人も集まっていたとか。現地在住の友人に「スリなどが多いから気をつけて!」と言われていましたが、思い切って前のほうに潜入してみました。おっかなびっくりで移動してみると「日本人か?こっちのほうが良く見えるからこっちに来いよ!」と親切に声を掛けてくれるブラジル人もいて意外とフレンドリーな感じ。ビール売りのおじさんも人の波をかき分けながら頑張って売りまくっています。ステージをじっと見つめていたり、友達とノリノリで踊っていたり、酔いつぶれていたり(笑)、みんなそれぞれ自分のスタイルでショーを楽しんでいます。

肝心のショーの中身ですが、旦那のホベルト・ヂ・カルヴァーリョと息子のベト・リーをメンバーに最近のヒット曲からムタンチス時代の名曲まで歌い継いでいます。個人的に好きな「Mania de Voce」や「Lanca Perfume」を歌ってくれたことは大感激!ヒット曲になるとお客さんもみんな大声で歌います。ヒタ・リーもマイクを客席に向けてお客さんを煽ります。途中、ベトが自分の赤ちゃんをステージに紹介、ヒタもとろける様な笑顔で良いおばあちゃんぶりをアピールしていました(笑)。

2時間以上に渡って開催されたショーも大きなトラブルも無く無事終了、帰りはビーチの通り沿いに立ち並んでいるエスペチーニョやタピオカ(前に来たときにはあまり見ませんでしたが、今回は凄く増えていた!)、カショーホ・ケンチなどの屋台を冷やかしながらホテルに帰りました。スコールが美味かった!!

滞在1日目から、いい感じでブラジルの夜を楽しめました。そして明日は念願のシコ・ブアルキのショーを観に行くことにしました!こちらも今から大興奮!!

(明日に続く)  

2007年01月19日

アングラ 日本公演決定!

意外だと思う方も多いかもしれませんが、実はブラジルはヘヴィメタルが盛んな国です。インディーズのグループなども含めると、恐らく100組以上のバンドが活動しています。なかでも代表格のセプルトゥラとアングラは、海外での評価も高く頻繁にワールドツアーを開催しています。今日は、2月に日本にやってくるアングラの紹介をしますね。

アングラは1991年、ヴァイパーというバンドで活動していたヴォーカルのアンドレ・マトスを中心に結成しました。93年に『Angels Cry』でレコード・デビュー、ヘヴィメタルにクラシックのエッセンスを取り入れた本作は世界中のヘヴィメタルファンの間で絶賛、日本でもロックファンの間で大ヒットしました。

その後、彼等はメンバー・チェンジを繰り返しながら活動を続けます。英語で歌うことが多いですが、ブラジル人としてのアイディンティティを見失うことなく、インディオの民謡のフレーズを取り入れたり、ブラジル音楽界の大巨匠であるミルトン・ナシメントをゲストに招いてレコーディングをしたりしています。昨年は結成15年を迎え、記念作『Aurora Consurgens』をリリース、ますます気を吐いているところです。

今回のジャパン・ツアーは、6都市7公演という、日本でライブをするブラジル人アーティストとしては最大級の規模で開催されます。ヘヴィメタルと聞くと尻込みしてしまうかもしれませんが、実際に彼等の音を聴いてみると、耳あたりもよく意外に聴きやすいです。アレンジの随所にブラジルらしい仕掛けもあったりして、彼等の演奏からはブラジルの国を愛する心が伝わってきます。ライブにはブラジルの国旗を持参して会場で振りかざせば彼らも喜んでくれるかも!?


ANGRA & Blind Guardian JapanTour 2007
2/2  東京  CCレモンホール
2/4  大阪  なんばHatch
2/5  福岡  Zepp福岡
2/6  名古屋 Zepp名古屋
2/8  広島  クラブクアトロ
2/10  札幌  Zepp札幌
2/13  東京  渋谷AX  



*さて、約1年間に渡りお届けしてきた「Agora Sim!」ですが、一旦お休みを頂き、2月中旬から装いも新たに再スタート致します。ご愛読ありがとうございました!ご意見・ご感想などもお待ちしています!   

2007年01月18日

アドニラン・バルボーザ 『Adoniran Barbosa』





Adoniran Barbosa
Adoniran Barbosa
EMI・2006
→ 収録曲



サンバが誕生して約100年。サンバのメッカといったら誰もがリオデジャネイロを挙げると思いますが、サンパウロにもサンバの文化は根付いています。今日はサンパウロのサンバ界の重要人物、故アドニラン・バルボーザの作品をご紹介します。

アドニランこと本名ジョアン・フビターノは、1910年イタリア系移民の元に生まれた生粋のパウリスタ。戦前からラジオのMCやお笑い、作詞作曲もこなすマルチタレントとして活躍しました。とは言っても派手な生活とは無縁の人で、イタリア系移民の多く住むビシーガという街を愛し、生涯その日暮らしのボヘミアンな生き方を送っていた人です。

彼が一躍有名になったのは「Saudosa Maloca」という曲がヒットしてから。1965年には今も活動を続けるサンパウロを代表するサンバ・バンドのデモニオス・ダ・ガロアが、「Trem das OnzeTrem das OnzeTrem das Onze」をカバーすると、これが空前の大ヒットを記録しました。後にこの曲はガル・コスタをはじめ多くの歌手がカバー、サンパウロを代表する歌として市民に定着します。歌手としての活動は遅く、1972年にはじめてのリサイタルを開催、1974年に初アルバムをレコーディングしました。

本日紹介するのが、その1stアルバム。実はつい最近までCDがリリースされておらず、マニアの間では「幻の作品」とされていた作品です。前述の「Saudosa Maloca」と「Trem das Onze」はもちろん、ブラジルの有名な小説家ジョゼー・デ・アレンカールの代表作からインスパイアを受けた「Iracema」など、誇り高きパウリスタのサンバが収録されています。

エリス・レジーナとの共演など晩年まで精力的に活動していたアドニラン、帽子と蝶ネクタイがトレードマークの紳士でした。今でも高くリスペクトされ、あのフンド・ヂ・キンタウもサンパウロでライブするときには必ず彼の曲を演奏するといいます。サンパウロのサンバというと、「聴いたことがない」という人も多いかとは思いますが、本作がCD化された今、気軽に彼の作品を聴けるチャンスです!サンバに興味があるという人は是非一度聴いてみて下さい!


■ Adoniran Barbosa 収録曲
1. Abrigo de Vagabundo
2. Bom Dia Tristeza
3. As Mariposa
4. Saudosa Maloca
5. Iracema
6. Já Fui Uma Brasa
7. Trem das Onze
8. Prova de Carinho
9. Acende o Candieiro
10. Apaga o Fogo Mane
11. Véspera de Natal
12. Deus Te Abençoe  

2007年01月17日

フレーヴォ100周年

さて、ブラジルはカーニバル開催まであと1ヶ月、カーニバルの話題でだんだん盛り上がってきていますね!

カーニバルというと、日本では「リオのカーニバル」が飛びぬけて知られていますが、ブラジルでは「三大カーニバル」として、リオ、サルヴァドール、そしてレシフェ・オリンダのカーニバルが並び評されています。

リオではお馴染みサンバ・エスコーラによるコンテスト形式のパレードが開催されますし、サルヴァドールでは人気歌手やグループが「トリオ・エレトリコ」と呼ばれる巨大サウンドシステムを搭載したトラックに乗り込んで路上をパレードします。この二つはPOKEBRASのユーザーの方ならすでにご存知のことかと思います。

それでは、レシフェ、オリンダのカーニバルって一体どんなスタイルでしょうか?レシフェは17世紀にオランダ人によって開かれたノルデスチ最大、ブラジルで4番目の人口を誇る都市です。港町であり、街の中にいくつかの川が流れ「ブラジルのベニス」とよばれています。一方、レシフェから車で20分ほどのオリンダは古い教会なども多い文化遺産に登録されている観光都市です。この地で開催されるカーニバル、実はリオやサルヴァドールより参加者が多く、その数は約200万人だとか。「世界最大規模のカーニバル」としてギネスブックにも登録されているそうです。

このレシフェ・オリンダのカーニバルに欠かせない音楽が「フレーヴォ」。元々は軍隊のブラスバンドが演奏していたそうで、リズミカルなビートにホーンセクションが入るのが特徴です。この音楽にあわせて踊るフレーヴォのダンスも、これまた大迫力です。カラフルな傘を振りかざしたり、ジャンプしたりして踊るのですが、人間業とは思えない華麗なステップで見る人を圧倒します。

しかも、なんと今年は「フレーヴォ誕生100周年」だそう。なんでも地元の新聞に「フレーヴォ」という言葉が初めて掲載されたのが1907年だったとか。という訳で、例年にも増してカーニバル時期にあわせ記念のCDがリリースされたり、記念ライブが開催されたりと、様々なフレーヴォ関連イベントが企画されているそうです。

来月、ブラジルのカーニバルを観に行かれる方は多いとは思いますが、今年は私の周りでもレシフェ、そしてオリンダのカーニバルを予定に入れている人が多いです。私は行けないのでうらやましい限り…行かれる方は、是非、歴史的瞬間を体験してみて下さい!  

2007年01月16日

ガラナよりパワーがある!? カツアバ

最近、日本でもちょっとした話題になっている「カツアバ」。

カツアバとは、ブラジルのアマゾンやセハード地帯に分布しているコカノキ科の樹木の樹皮から採取したエキスです。もともとは、アマゾン周辺に住むインディオたちが発見、何百年も前からお茶などにして飲む風習が部族の中で伝承されていたそうで、インディオたちの民謡にもカツアバのことを歌った曲が数多く伝わっているそうです。

近年、アマゾン調査に乗り込んだ研究者が、このカツアバを持ち帰り、成分等を調べたところ、いわゆる薬用ハーブとしての効能があることが分かったそうです。それからはブラジル国中で愛飲されるようになりました。今では年間4700万リットルも消費されているというからすごいですね。

このカツアバ、一般的にはアルコールを加え、お酒にして飲むことが多いようです。ワインと同様の方法で製造されているものもあれば、アルコールにカツアバ、砂糖などを加えて醸造し、リキュールとして販売されているのもあります。日本にはこのリキュールタイプのカツアバが輸入販売されていて、手軽にカツアバを味わうことが出来ますよ。

気になる効能ですが、心的動揺、神経質、神経衰弱、健忘症、記憶力の低下、不眠症、憂鬱症、気の弱み、中枢神経由来の痛みなどに効果があると言われています。そして、媚薬としての効能もあるそうですよ(笑)。特に男性には絶大な効き目があるとか。(医薬品としては認定されていません。念のため。)

ブラジル、特にアマゾン周辺には、まだまだ文明に出会っていない未知の動植物が数多く存在するといいます。日々、世界中から研究者達がアマゾンに入って研究調査をしています。近いうちに、人類に衝撃を与える歴史的発見があるかもですね。  

2007年01月15日

パパス・ダ・リングア 『Ao Vivo Acustico』






Ao Vivo Acústico
Papas da Língua
EMI・2004
→ 収録曲



最近何かと話題になっているリオグランヂドスル州。2年連続でFIFA年間MVPに輝いたロナウヂーニョの故郷ということもあり、日本でもリオグランヂドスルの町並みがテレビや雑誌などで大きく紹介されましたね。先日のトヨタカップで優勝したインテルナシオナルも首都ポルトアレグレに本拠地を持つチームです。スーパーモデルとして海外でも広く活躍しているジゼル・ブンチェンもこの地の生まれですし、音楽関連ではアドリアーナ・カルカニョットや、古くはエリス・レジーナの出身地として知られています。ロック・バンドも数多く、この街から誕生したグループは「ホッキ・ガウーショ」などと呼ばれているようです。

パパス・ダ・リングアは、1993年にリーダーでヴォーカルのセルジーニョが地元ポルトアレグレで結成、シンプルな4ピーススタイルでデビューしたポップ・ロックバンド。下積み生活が長かったのですが、04年にインディーズ・レーベルより本作をリリース、楽曲の良さが口コミで広がると水面下でロングセラーとなりました。06年には本作に収録された「Eu Sei」がノヴェーラ「Paginas de Vida」の挿入歌として採用されます。しかもメンバーが脇役で出演するという幸運に恵まれました。テレビを通して彼等の楽曲がオンエアされると問い合わせが殺到、レコード店では品切れ状態が続いてしまい、急遽大手レコード会社より改めて再リリースされました。その後見事ゴールドディスクを獲得、現在もチャートの上位にランクインしています。大ヒット中のブラジル人好みのバラード「Eu Sei」をはじめ、ポップ・ロックやレゲエ・ナンバー中心の、どことなく柔らかいタッチの耳馴染みが良い作品です。

リオやバイーア、ミナスといった街の音楽は日本でもファンが多いですが、ポルトアレグレの音楽シーンはまだまだ一般的には知られていません。今日ご紹介したパパス・ダ・リングア以外にも聴き応えのある作品をリリースしているアーティストは数多くいます。今のうちにチェックしておいて、そのシーンの熱さを感じてみて下さい!


■ Ao Vivo Acústico 収録曲
1. Democracy
2. Essa Não é a Sua Vida
3. Vem Pra Cá
4. Vou Ligar
5. Calor da Hora
6. Viajar
7. Um Dia de Sol
8. Blusinha Branca
9. Lua Cheia/Fica Doida
10. Ela Vai Passar
11. Pó de Pimenta
12. Eu Sei
13. Pequeno Grande Amor
14. Mary Jane
  

2007年01月15日

CSS初来日公演情報!

以前、ニュースコーナーでも紹介した、Cansei de Ser Sexy(以下、CSS)の初来日公演が迫ってきました!

昨年、全米デビューを果たした彼女達、アメリカでの活躍ぶりが瞬く間に日本のインディ・ポップファンの間に広まると、日本盤も急遽リリース、日本の音楽雑誌でも大きく特集が組まれました。雑誌の表紙にも採用されていましたね。ブラジル音楽の枠を超えて、現在、最も注目されているブラジル人バンドと言っても過言ではないでしょう。

CSSのエピソードをひとつ。個性的なメンバー揃いのCSSですが、ヴォーカルのLoveFoxxxは、デザイナーとしても活躍しています。CD ジャケットのアートワークを手がけたのも彼女なんですよ。更に、実は彼女「ルイーザ・ハナエ・マツシタ」という本名からも分かるように日系人だそうです。親しみやすいルックスもそんな理由があったからでしょうね。

先月はイギリスでもショーを開催、ブリット・ロックの超大物、PULPのJervis Cockerがゲスト参加してロンドンっ子を熱狂の渦に包んだそうです。日本では一体どんなショウになるのか、今から楽しみですね!

CSS JAPAN TOUR 2007
07年1月16日(火)東京・duo Music Exchange
開場18:00 / 開演19:00
料金:5,000円(税込/全立見/1ドリンク別)  

2007年01月11日

ルイス・ボンファ, マリア・トレド 『Braziliana』





Braziliana
Luiz Bonfa / Maria Toledo
Vivid・2000
→ 収録曲




2001年1月12日に亡くなったルイス・ボンファ。ブラジルでボサノヴァがブームになる以前からギタリストとして活動、アントニオ・カルロス・ジョビンに誘われ、映画「黒いオルフェ」のサントラに参加したり、ボサノヴァ・ブームがはじまると、シルヴィア・テレスやペリー・ヒベイロといった重要人物のレコーディングなどで活躍しました。60年代に入るとアメリカやヨーロッパでも活動を始め、ポール・ウインターやスタン・ゲッツといったジャズマンにボサノヴァを教えた人物として知られています。アメリカで大ヒットしたアストラッド・ジルベルトの伴奏をしたこともあります。

この作品は彼が一番ノッていた時代、1965年にアメリカで録音した作品です。当時の奥さん、マリア・トレドとの共演作です。全曲がオリジナルで、いわゆるボサノヴァ・スタンダードは入っていませんが、ギターのインストからスキャット、そして二人のデュエットまで、愛がたっぷりの名演揃いです。タンバ・トリオのドラマー、エリシオ・ミリートも参加しています。

実はこの作品、長い間CD化されていませんでした。後年、マリアと別れてしまった彼が当時のことを思い出したくないのでは、など推測されていましたが、2000年に関係者の奮走によりなんとか無事リリース、その素晴らしさが改めて認識されました。もしかすると死期を悟った彼がGOサインを出したのかもですね。

今でも若いミュージシャンから大きくリスペクトされているルイス・ボンファ。5周忌を迎えるにあたり、改めて彼が遺した音源を聴いてみたい気分ですね。


■ Braziliana 収録曲
Whistle Samba
Tanto Amor
Samba De Orfeu
Pierrot
Boticario
Cavaquinho
Improviso
Promessa
Sugar Loaf
Saudade
Guanabara
Pequeno Olhar
Baroco
Sambura  

2007年01月10日

Festival de Verao Salvador

ブラジルは夏に入り、カーニバルまであとひと月と、だんだん盛り上がってきています!音楽イベントも盛んに開催されていますが、今日はこの季節の風物詩ともなっているビッグ・イベント「Festival de Verao Salvador」をご紹介します。

Festival de Veraoは毎年サルヴァドールで開催されるオールナイトの野外イベント。1999年に第1回が開催、地元のアシェー系ミュージシャンを中心にロックやポップス系の人気グループが多数出演しています。マルガレッチ・メネーゼスやアラケトゥなど、ここでのステージの模様をDVDでリリースしているミュージシャンも多く、それだけ力の入ったステージを披露してくれます。

今年は今月24日から27日まで4日間に渡り開催、シダーヂ・ネグラやチンバラーダ、イヴェッチ・サンガーロなど12組のアーティストが出演を予定しています。中でも目玉となっているのが、この時期来伯しているベン・ハーパー。彼はブルースやハワイアン、レゲエにも造詣が深いアメリカ人アーティスト。最近はブラジル音楽にも夢中だそうで、地元ミュージシャンとの共演サプライズもあるかも?

この時期、ブラジルにいる人は必見の一大イベントです!!一部のステージはテレビやインターネットでも観ることができるようなので、興味ある方はオフシャルH.P.をチェックしてみて下さい!

Festival de Verao 
http://ibahia.globo.com/festival/   

2007年01月09日

ブラジルのワイン

このコーナーでは、セルヴェージャ(ビール)やカシャーサなど、ブラジルのお酒を何度か紹介しましたが、まだ一度も紹介していなかったお酒があります。それは、ブラジルのワイン。

南米産のワインといえばチリ産やアルゼンチン産が有名で、ブラジル産のワインというとこれまで専門家の間では格下のイメージがぬぐえませんでした。しかし、最近では品種改良が進められ、かなり美味しいワインが出回るようになってきています。洗練されたデザインのパッケージに包まれ、国外への輸出量も格段に増えてきているようです。日本でも大きいスーパーなどで見かけるようになりましたね。今日は比較的入手が簡単な二つのブランドのブラジルワインをご紹介します。

まずはブラジル南部のリオグランヂドスル州に本社がある「ペテルロンゴ」。シャンパンのブランドとしても有名です。リオグランヂドスル州はワインの原料となる葡萄作りが盛んな地域。赤はイサベラ、コンコード、ボルドの3種をブレンド。白はナイアガラ、セイヴ・ヴィラールをブレンドしています。割合サッパリしている感じで何杯でも飲めそうです。

もうひとつ、これも有名なブラジルワインのブランドの「サンギ・ヂ・ボイ」。直訳すると「牛の血」という、なんとも迫力のあるネーミングです(笑)。Doce(甘口)とSeco(辛口)の2種類があります。なんと4600ml入りの巨大ボトルも販売されています。この甘口のほうは独特の甘さがあり、一度飲んだら忘れられない個性的な味です。冷やさずにそのまま飲んでください。

ブラジルのワインはウンチクなんか関係なく、気軽にワインを楽しみたい人にオススメです。みんなで楽しくブラジル料理などと合わせて飲んでみて下さい!  

2007年01月05日

Musica Moderna Vol.2

今年最初の「街でもブラジル」、今日は明日土曜日に開催される「Musica Moderna Vol.2」をご紹介します!

この記事をご覧の皆様はもう既にご存知だと思いますが、『ムジカ・モデルナ』は昨年夏に発行された新感覚のブラジル音楽のガイドブックです。ボサノヴァやMPBといった日本で人気のブラジル音楽ばかりでなく、ブラジル国内で実際にヒットしている最新のブラジル音楽を分け隔てなく紹介した画期的なディスクガイドです。このイベント「Musica Moderna」はそのリアル版です。ポップスやロック、ヒップホップ、フォホーやセルタネージョ、そしてアシェーやファンキ・カリオカまで、最新のブラジル音楽をタップリ楽しめるイベントです!先月行われたVol.1も大好評でしたよ。会場のアパレシーダは、ありがたいことに雑誌や新聞にも取り上げられ、すでにブラジル音楽ファンから注目を集めています!

DJはムジカ・モデルナ執筆陣が担当、POKEBRASスタッフの面々も駆けつけますので、是非遊びに来て下さい!!



Musica Moderna Vol.2
日時: 1月6日(土)18時開場~24時迄
会場: Aparecida(東京・西荻窪)
チャージ: 無料(要ドリンクオーダー)
DJ: ムジカ・モデルナ執筆陣  

2007年01月04日

カエターノ・ヴェローゾ 『Caetano Veloso』





Caetano Veloso
Caetano Veloso
Polygram・1967




Feliz ano novo! 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!

さて、皆さんはどんなお正月を過ごされましたか?私はブラジル音楽のカウントダウン・イベントに出かけてきました。除夜の鐘の音の代わりにサンバを聴きながら味合うカイピリーニャやサウガヂーニョもオツなものです。

さて、今年は2007年。既にブラジルのマスコミで話題になっていることといえば…そう「トロピカリズモ40周年」です。カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルが中心となって巻き起こした「トロピカリズモ」。

当時、世界的に大流行したボサノヴァが一息ついたブラジルでは、欧米から入ってきたロックが大きなブームとなっていました。ビートルズをはじめとする欧米のヒット・ナンバーにポルトガル語の歌詞を載せて歌った曲は「イエ・イエ・イエ」、「ジョーヴェン・グアルダ(ヤング・ジェネレーション)」などと呼ばれ、それまでのブラジル音楽が持っていた優雅さや伝統的なマナーとはかけ離れたものとなっていました。

カエターノとジルはそんな世相を上手く読み取り、ロックの影響を大きく認めつつも、自らが持つブラジル人的価値観と融合、消化させ、ブラジル人であることのアイデンティティーを深く打ち出した、新しいスタイルのブラジル音楽を切り開いていきました。

うるさ型の評論家筋からは、否定的な意見も出されたりもしましたが、同世代を中心に次第に民衆の心を捉え、ついには熱狂的に支持されるようになりました。しかしながら、時代は軍事政権。政府に反対の立場を取る危険分子とされた二人はその後国外追放の憂き目にあってしまいます。(このあたりの話は大変興味深いのですが、かなり長くなってしまいますので下記の参考文献を一度読んでみて下さい。)

このアルバムはカエターノの実質的なデビュー・アルバムであり、トロピカリズモを代表する作品です。オープニングは、その名も「Tropicalia」という曲から、当時の歌謡コンクールで上位入賞した「Alegria, Alegria」、ジルベルト・ジルによる「Soy Loco Por Ti America」は、近年イヴェッチ・サンガーロがカバーしてヒットしたことも記憶に新しいですね。

今年はトロピカリズモ40周年を記念して、ブラジル国内でも様々な行事が予定されているそうです。この機会に一度改めてトロピカリズモ関連の作品を聴いておきたいですね!

参考:
「トロピカリア」カルロス・カラード/著
「トロピカーリア」クリストファー・ダン/著